女性シンガー、ジアナ・ヴィスカルヂとのデュオで「Coffee & Music」など日本企画盤も発表しているギター奏者のミッヒ・フジチュカ。ダニ・グルジェルの「Nosso」や「Viadutos」、ヒカルド・ヘルス・トリオなどサンパウロのノーヴォス・コンポジトーレス界隈の黎明期から多くの作品で小気味良いギター・プレイを聴かせてきてくれた音楽家のソロ作が届きました。
オーストリアで生まれ、ボストンのバークリー音楽院に留学、サンパウロに辿り着いて15年。このソロ作では、ネルソン・カヴァキーニョの"A Flor e O Espinho"をインスト・ソロ・7弦ギター仕立てにしたものから始まり、ギリェルミ・ヒベイロ(acc)、マルコス・パイーヴァ(b)と一緒に奏でる川沿い音楽の調べ、そしてヒカルド・ヘルス (vln)、ペドロ・イトウ(drs)とのトリオで見せてきたようなフレッシュで軽快に小躍りするようなジャズ・サンバm-5"Universo Paralelo"、アレシャンドリ・ヒベイロ(cl)の参加したヨーロッパの香り漂うショーロ、アルゼンチン・フォルクローレの一様式サ(za)ンバに則った"Gondawana"など多岐に渡るコンポーズ、多民族都市サンパウロに集う辿り着いた音楽や音楽家たちとの交歓の経験を、ブラジル音楽ならではとも言える自身の7弦ギターの編曲術で表現したのが本作。シコ・セーザルによる北東部リズムの楽曲m-9"Sem Ganzá Não é Côco"のとびっきり爽快なヴァージョンも収録。