2018/2/26売り切れました。
ブラジル新世代ミュージシャンたちによるガフィエイラ・ビッグバンド - オルケストラ・インペリアルでもヴォーカルとしてフィーチャー、「Vermelho」(赤)、「Azul」(青)とコンセプトの異なる二枚のソロ作を同時リリース、その後は公私に渡るパートナーでド・アモールやカエターノのバックで活動するドラムス奏者マルセロ・カラドとのハンドメイド調デュオ作を発表と順調にキャリアを積み上げてきました。ナチュラルに澄んでいながらも中音域の伸びやかな推し出しが効いていて、華やかに、機知に富んだムードを醸し出すニナ・ベッケルの唄声が最大限に活かされたショリーニョなアンサンブルはドラムレス、全曲ドロリス・ドゥランのレパートリーによるソングブック。
カリオカで'50年代を通じ、甘くしっとりしたサンバ・カンサォンを自作自演した女性S.S.W.ドロリス・ドゥラン。6カ国語を話せる才女だったとのことですが、29歳の若さで心不全のため急逝してしまいます。ブラジル国内ではナナ・カイミやルーシオ・アルヴィスがトリビュート・アルバムを制作してきましたが、現世代のアーチストとしては初となるドロリスのソングブックが、同郷出身で優雅に素敵な唄声の持ち主 - ニナ・ベッケルによって登場しました。ツボを突いた様々なレア盤の初CD化やトリビュート作を手掛けるジョイア・モデルナのDJ ゼー・ペドロがサンパウロの木目調のライヴ・スポット - カーザ・ヂ・フランシスカでドローリスのレパートリーでショーを行なうニーナを見てアルバム制作を発案したそうですが、ニナにとってもオフィシャルのバイオグラフィーにて影響を受けたシンガーとして真っ先にドロリスの名を挙げているくらい思い入れの深いアーチストのトリビュートになります。冒頭のドロリスとA.C.ジョビンの共作曲"Estrada do Sol" から全編に渡り、ニーナの唄/7弦ギター/バンドリンを基盤にしたショーロ・アンサンブルで、ボサ・ノヴァ愛好家の皆さんにも是非聴いていただきたい木目調のアコースティック音楽。パートナーのマルセロ・カラードは松ぼっくりのパーカッションでm-2"Estatuto de Boate" (ビリー・ブランコ作)に参加、ヒカルド・ヂアス・ゴメスはドロリスとルーシオ・アルヴィスの共作 m-6"Vou Chorar" にてワーリッツァーを演奏、ペドロ・サーがm-10"Feiura Nao E Nada" のソロ・パートにegで参加しています。
[ドロリス・ドゥランに関する参考文献: ブラジリアン・ミュージック(中原 仁編) / ボサノヴァの真実(Willie Whoper著)]
アルバムと編成は異なりますがTVの企画「カントーラス・ド・ブラジル」でドロリスの曲を唄うニーナ・ベッケル。