Mati Mormandi / POMPEYA

型番 shcd 059
販売価格 2,373円(税込)
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いまやクラウド系のサーバーを始め映像サイトなど自作品を発表する場は数多くありますが、そのひとつにエレクトリック・ピアノを中心とした鍵盤のひとり多重録音で面白いパフォーマンスを見せるアーティストが居りました。ブエノス・アイレス、'75年生まれのマティ・モルマンディがそのひとで、調べるとオネエと思われる妖艶なシンガーとのデュオに、鍵盤が三人もいるクアルテート、ジャズ・クアルテートに歌伴と多様な活躍をみせているようなのです。こうなると捉えどころも難しくなってくるのですが、何とこのたび、瑞々しいコンテンポラリー・フォルクローレを数多く輩出するカルロス・アギーレのレーベル - シャグラダ・メドラからピアノ・ソロ弾き語りのアルバムが発表されました。

生ピアノを前に朗読からはじまり、メランコリアが滲んだピアノの音色に幾つかの声色を使い分けシアトリカルに展開してゆく唄世界。ここにはタンゴ・ミロンガの素養やクラシカルな印象主義派音楽を思わせるような和声術と幾つもの要素が絡み合い、しばらくするとパントマイムのようなひとり劇のようにも、物語を熱弁する講談師のようにも聴こえて来るのが不思議です。どこか自嘲気味に戯けたような擬音混じりの言葉遣い、スキャット、口笛、人間の歩調のように進んだり立ち止まって余韻を楽しんだりと自在なリズムがアクセントとなっていつしかひき込まれてしまいます。一息ついたところでふいに聴こえて来る美しい調べはそれぞれこの10数年に書かれたものから厳選されており、CDというフィジカルな作品に収めるべきソロ・パフォーマンスの集大成的内容と見受けられ、そのどれもが詩的なエッセンスを持って演劇的に響きます。制作の過程をアルバム一枚分映像に残しているのも興味深いところ。





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伊藤亮介



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