”ベルリン・スタイル”と呼ばれるルーツ・フォークのかたちを築き上げてきた12人編成の17ヒッピーズ。舞踏曲を思わせる幻想的なムードから、親密でメランコリーなフレーズが醸し出す温もり、そして祝祭感。野獣という意味のアルバム・タイトルですが、フクロウの顔に蛾の羽根、手にはリュートと不思議なカヴァー・イラストにも表れている通り、単に動物的な音、というよりはバラフォンやチェロをはじめとするゲスト演奏陣を多く迎えて、より自然界と調和しつつ感情を揺さぶらんとするリリカルなアンサンブル、ということにこだわっているように思います。フランク・ザッパ"Peaches en regalla"をルーツ・フォーク・スタイルでインスト・カヴァーしたm-5、ビル・ラズウェルのロマ調カヴァーm-7 "Worksong"、オールマン・ブラザーズの室内楽的インスト・カヴァーm-12 "In memory of Elizabeth Reed" も収録、他にもルーマニア、アルバニア、メキシコのトラッド曲を引用したコンポーズ、男女のデュオにマンドリンと弦の組み合わせがベルリン流のマウンテン・ポップを思わせるm-2"So Leicht"、浮遊感の伴うフレッシュなシャンソンm-4 "Jamais Tout"、幾篇かのワルツに静けさの目立つ良質な"新しい"トラッド・フォークが盛り沢山。
オフィシャル・ページにて試聴できます
→
本アルバムのアナログLP をご所望の方は
DRINK EM ALL RECORDS へ。