ブラジル音楽のフィールドのみならず、世界のジャズ・シーンでもその名を知られるハーモニカ・プレイヤーのガブリエル・グロッシ。アミルトン・ゴドイ(p) と制作したヴィラ=ロボス曲集も記憶に新しいですが、今回は自作の楽曲、そして共同プロデュースに立つピアノ/アコーディオン奏者のギリェルミ・ヒベイロ(シンガー、マテウス・サルトリとのゴンザーガ歌曲集が素晴らしかったプレーヤーです)との共作曲をレパートリーとしたソロ名義の作品。ベースレスの変則セクステートは、tb、ts/flute とソロを分け合いながら、都会の喧噪をイメージ。アグレッシヴなせめぎ合いを感じさせるブラジリアン・ジャズとなっています。ミッヒ・フジチュカのギターとep がファンクの入り混じった往年のジャズ・フュージョンを彷彿とさせる時代の空気を放ちつつも、ブラジル音楽らしいダイナミックなリズム・フィールと現代的な音使いが一貫してあります。