全て新録、
ノヴォス・コンポジトーレスや
エクスペリ・サンバの人脈が多数参加したサンパウロらしい先鋭音楽のショー・ケース的作品となっています。発起人は
ダニ・グルジェルの旦那さんでドラマーとしてジャズ・タッチのmpb などを得意とするチアゴ・ハベーロと、ノルデスチのミュージシャン - ヴィセンチ・バヘートの息子でブリージンなAORタッチのmpbを得意とするSSW
ハファ・バヘート。このふたりが演奏の基盤として参画し、その上にファビオ・サーのコントラバスをはじめサンパウロのシーンから様々なシンガー、ミュージシャンが参加してゆきます。制作面ではダニ・グルジェルとエミリー・ブロッシ (boranda) が力を尽くしていますので、もちろん
タチアナ・パーハらもここに参加しています。冒頭曲ではDJとしても活躍するエドゥアルド・ブへーチョ、
ルルデス・ダ・ルス( ex.
mamelo sound system) のラップにジャズ・サンバのシンガー-セーニア・フランサがコラボレイト、マルセロ・カブラル(b,
passo torto )らによる生演奏のヒップホップ・トラックで度肝をぬき、続く曲ではファビオ・サーのアコースティックなベースラインの上にホヴィウソン・パスコアルのeギター、そしてベース奏者や画家・彫刻家としての顔も持つマヌ・マルテスのクルーナー・ヴォイスが左岸派シャンソンの如きポエティックな佇まいをみせ、と思えば
ホムロ・フローエス=ダニ・グルジェルの新たなタッグで書かれた”gosto do asfalto"ではバンジョーを用いたオールド・タイムなジャズをダニのヴォーカルで、いままでもハイブリッドで爽やかな作風をみせてくれた
ダニロ・モライスはヒカルド・エルズの多重ヴァイオリンと一風変わったフォホーを、サンバ系のSSW
キコ・ディヌッキ(passo torto etc) は"lesbian choro" なるユニークな楽曲を、と様々な工夫・試みが本プロジェクト用に施されています。特筆すべきはルーツを踏まえたアコースティック音楽の冒険を続けるファビオ・バホスと、
ソロ作や
デュオ名義で一躍時の人となったタチアナ・パーハのここでしか聴けない楽曲 m-7 "Armada" 。ここに挙げられなかったトラックについてもそれぞれが異種多彩な表情を誇り、一概にカテゴライズすることのできない作品となっています。サンパウロ州文化部のプログラム ProAcの後援・助成のもと、
デボラ・グルジェルや
ダニの諸作など多くの傑作を生み出すオカ - カーザ・ヂ・ソンでレコーディング、ニューヨークでマスタリング。今後も文化イベントや映像が
www.coletivourbano.com から発信されるとのこと。フィジカルなCD作品としては、ステンシル・プレート上にくり抜かれたアートワークがまたアーティスティック。
bandcampにて全曲が視聴できます。
http://coletivourbano.bandcamp.com/album/coletivo-urbano