2011年以来バイーア連邦大学で教鞭をとる若き女流ピアノ奏者ベアトリス・アレッシオは、サンパウロ大学で学士・修士の課程を履修し、オルケストラ・ヂ・カマラー・ダ・USP(OCAM /サンパウロ大学室内管弦楽団)のソリストを皮切りに、国内のオーケストラと共演を重ね、アルゼンチンのサン・フアン国立大学にも招聘されたり、リオ連邦大学で博士号を修めるなどクラシック界で華々しいキャリアを誇る才女。そのベアトリスが研究課題に掲げるブラジルの現代音楽の普及というテーマで取り組むのは、彼女とも密接な関係にあったジルベルト・サントス(1922~2016) の作品。無調とミニマリズムを特徴とした彼の楽曲は、無調というだけあってひとつのキーに収まらないものですが、異端ともいえるそのハーモニーが美しく鮮やかな色彩を持っていることに驚かされます。"イスタンブールの櫛"、"コパカバーナのユリシーズ"、フランスの古典舞踊であるパスピエを題材にしたりと、時間軸にも異文化圏にもとらわれない自在な発想から生まれた作品を瑞々しく表現。
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