アルゼンチン新世代タンゴの本年最重要作にして、ここ日本で盛り上がる「新しい室内楽」の文脈でも注目すべきアルバムの誕生。若きバンドネオン奏者にして作曲家、サンティアゴ・シルミが自身の五重奏団を率いて吹き込んだアルバムが日本先行リリース!
アルゼンチンのタンゴ楽団といえば、典型的(ティピカル)な編成とスタイルを保ったコロール・タンゴのような楽団から、ヘッドバンキングをするぐらいにアグレッシヴなフェルナンデス・フィエーロのようなグループ、そして現代音楽やジャズのエッセンスを強く感じさせるディエゴ・スキッシのキンテート、とピアソラ以降も様々な表現が表舞台に登場してきました。今回のサンティアゴ・シルミ・キンテートはバンドネオンのサンティアゴ・シルミをリーダーに、viola, vln, p, b という編成で、弦楽に重きを置いたアンサンブル。ミロンガやバルスのフォーマットに則りながらも、より欧州のサロン・ミュージック的な淡い色彩、チェンバー、室内楽の色合いが濃く現れたグループです。ラモン・ガルデージャのvibが参加したm-1,4,6 などに顕著な洗練されたコンテンポラリーな世界観が秀逸、シネマティックなインストゥルメンタル作品。